人類と気候の10万年史

温暖化の云々を勉強しようとおもってその前に地球の過去はどんなだったの?
ってのが前提知識になるのではないか?という考えからこの本を読んでみたらびっくし…
こんなことになっていたとは

僕たちは 氷期 と 間氷期 という言葉は聞いたことがあるが その性質についてはあまりよく理解していない。
なんとなく氷期は寒くて、間氷期は暖かい程度の理解であろう。
しかし、氷期の特徴は寒いことではなくむしろ世界的に気候が安定しない事なのだ、あたたかな年があったかと思えば平均気温で3度くらい寒い年が何年もつづいたりする。不安定な気候の問題点はそのような状態では「農耕」が不可能であるということだ、すなわち来年に何を植えたらよいかが決定できないのだ。

それに引き替え間氷期は温暖であると同時に気候が安定しており来年もほぼ今年と同じような温度、降水量を繰り返す。かりに冷夏や干ばつがあっても3年も5年もそれがつづくという事は稀である。(たまにあるがそれは火山の影響など原因がある程度はっきりしている)

すんわち直近の1万年あまりは間氷期であり温暖で気候が安定しているから農耕が行えるようになりそれで文明が発達したのだ。
人間の叡智によって農耕が発明されたわけではない。実は5万年前でも気候が安定していれば農耕は行われたはずなのだ、しかし氷期には気候が安定せず物理的に農耕が行える条件がなかっただけなのだ。この1万年の文明の発達は人間の努力ではなく気候が安定していたという偶然の産物であるとうことがわかる。

結局のところ再び氷期が訪れて気候が不安定になり温暖だったり寒冷だったり、また5年も寒冷な気候が続きまた温暖になるなんて事が繰り返されるようになるといまの食糧生産は壊滅的被害をうけて継続する事が困難になるだろう。そして食糧不足を原因に現代文明は崩壊するかもしれない。

つまり氷期というのはそのような危険をはらんだ大災害をもたらす気候条件なのだ。「温暖化」とかどうでもよくなる話である。
そして一般に間氷期は数千年だが、現在の間氷期は1万1600年続いている、いつ氷期にモードが変わってもおかしくないのだ。

核戦争と同程度に氷期は危険なのだ。

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