青き衣のモノは失われし大地との絆をむすび…と言うのだけど。
実はナウシカこそが破壊者であって、男女の絆を分断した張本人だと思っている。
ナウシカからこっち女性は自由に生きてきたのだけど、結局のところ男性との新しい絆を結ぶ事に失敗している。それはオーマがナウシカをママと呼ぶナウシカの家庭(ナウシカ+オーマ)は母子家庭であってそこに父は不在である。森の人やユパ様はメンターであってナウシカの夫ではない。
ナウシカは生涯夫を持たない女性として生きるしかないだろう。
人の(女性の)生き方としてナウシカモデルは不安定である。
やはりここは真の青き衣のモノが必要と思う。
紅の豚、もののけ姫、ハウルやポニョどれをとっても女性は自由だが男女との間の新しい関係性を再構築しているとは思えない、ナウシカが壊した従来の男女関係を修正して補完して暫定的な関係を結んでいるようにしか見えないのだ。
ナウシカから風立ちぬ至る宮崎アニメのなかでは結果として男女の絆の回復は得られなかったというのが僕の結論だ。風立ちぬは絆の回復らしき描写はあるが、あの関係性がナウシカ以後の21世紀の男女関係とはとても思えない、そもそも舞台が戦争中だ。新しい関係性を提示してるとはいいがたい。
ただ、あたらしい男女の関係性についてそこを宮崎さんに責任とれというのはちょっと筋違いで、ナウシカがぶっ壊した男女関係の新しいありかたを構築するのは新しい作家でないといけないんだろうなぁとは思う。